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神社の教養

初午とは — 2027年は2月8日(月)。伏見稲荷の由来と、新暦・旧暦・日付固定で違う関西の稲荷社の初午祭

初午は2月の最初の午の日で、その日に行われる稲荷社の祭礼も指します。2027年の初午は2月8日で、2月に三の午はありません。伏見稲荷大社は和銅4年2月の初午に稲荷大神が鎮座したと伝えますが、最古の資料にはその年が出てこないと神社自身が留保しています。関西の稲荷社は新暦・旧暦・日付固定のどれで行うかが社ごとに違います。

2026-10-05 | 執筆・編集:福跡マップ編集部

初午(はつうま)は、2月の最初の午の日です。 デジタル大辞泉は「2月の最初の午の日。また、その日に行われる各地の稲荷神社の祭礼」と説明しています。2027年の初午は2月8日(月) です。

ただ、関西の稲荷社を公式サイトで確かめると、新暦の2月で数える社、旧暦で数える社、日付を固定している社があり、同じ「初午祭」でも日が違います。出典は辞典、伏見稲荷大社、国立天文台、各社の公式に限りました(2026年10月5日確認)。

2027年の初午は2月8日、三の午はない

午の日は十二支で数えるので、12日ごとに巡ります。2027年2月の午の日は、8日(月・戊午)と20日(土・庚午)の2日です。次の午の日は3月4日なので、2027年は2月に三の午がありません。

この日付は、国立天文台の暦日データベース(1833年2月5日が戊午)から日の干支を数えて出したものです。2027年2月8日まではちょうど60日の1,181倍にあたるので、同じ戊午になります。念のため書いておくと、国立天文台の暦要項には初午も日の干支も載っていません。暦要項(令和9年)に載っているのは、立春が2月4日10時46分であること、2月の日曜が7日・14日・21日・28日であること、などです。2027年の初午は立春より後なので、「立春後の最初の午」と数えても2月8日で同じ日になります。

2026年はそうではありませんでした。新暦の初午は2月1日で、立春(2月4日)より前。立春後に数えると2月13日になり、数え方で日が割れた年でした。

2027年2月の暦に午の日(8日・20日)と立春(4日)を置き、三の午が無いことを示した図です
2027年2月の暦に午の日(8日・20日)と立春(4日)を置き、三の午が無いことを示した図です

伏見稲荷大社の由来と、神社自身の留保

伏見稲荷大社の公式サイトは、2月の行事に「2月初午の日 8:00〜」と載せ、由来をこう書いています。

稲荷大神が稲荷山の三ヶ峰に初めてご鎮座になった和銅4年2月の初午の日をしのび

初午詣は「福詣とも呼ばれ」「京洛初春第一の祭事」。2日前の辰の日には、杉と椎の枝で作る「青山飾り」を本殿以下の摂末社に飾ります。授与される「しるしの杉」は「商売繁昌・家内安全の御符(しるし)」です。

ここで意外だったのは、神社自身が由来に留保を付けていることでした。公式サイトの沿革の章は、最古の『山城国風土記逸文』には和銅4年という年代は「出てきていません」と書き、2月初午の伝承について「これは全くそのとおりだと言えない面もありますが」と続けています。伝承を伝えながら、資料との距離も書く。福跡マップが見習いたい書き方です。伏見稲荷大社のスポット。

初午は、稲荷だけの日ではない

辞典の説明は、稲荷社に寄り過ぎないように釘を刺しています。日本大百科全書は「その習俗はかならずしも稲荷とは関係なく、土地によりさまざまである」と書き、世界大百科事典は「初午の早い年は火事が多いという火に関する俗信は全国的」と記しています。酉の市の「三の酉の年は火事が多い」と似た俗信が、初午にもあるわけです。

関西の稲荷社は、数え方が三つに分かれる

公式サイトで初午祭の案内を確かめると、数え方が三つに分かれていました。

数え方社公式に書かれていること
新暦2月の最初の午瓢箪山稲荷神社(東大阪)2026年は「2月1日(日)【2月最初の午の日】」。祭禮は「午後十二時半から」(昇殿参拝・参列はできない)。福餅まきは「午後一時と三時の二回」
新暦2月の最初の午玉造稲荷神社(大阪)「(2月に入って最初の午の日) 2月 初午祭」。特別御朱印は「2月初午(初午祭朱印)」
新暦2月の最初の午服部天神宮の初酉稲荷社(豊中)2026年の「初午祭」は「日程:2月1日(日)」、福ぜんざい13時〜15時30分
旧暦2月の最初の午信太森葛葉稲荷神社(和泉)「初午祭 (旧暦2月初めの午の日、2026 年は3月21日)」
日付固定長岡天満宮の長岡稲荷(長岡京)「例年2月11日に初午祭を斎行」

同じ関西で、同じ「初午祭」が2月1日、2月11日、3月21日と、ひと月半も違っていました。「初午 3月」という検索が一定数あるのは、旧暦で行う社があるからだと思います。

関西の稲荷社の初午祭を、新暦・旧暦・日付固定の三つに分けて2026年の日付で並べた図です
関西の稲荷社の初午祭を、新暦・旧暦・日付固定の三つに分けて2026年の日付で並べた図です

2027年は、各社の発表を待つ

2026年10月5日の時点で、2027年の初午祭を発表している社はありませんでした。信太森葛葉稲荷神社の旧暦2月の初午は計算上3月16日になりますが、神社の発表はまだです。しるしの杉の初穂料も、公式で確かめられませんでしたので、この記事には書いていません。

2027年2月8日が近づいたら、行きたい社の公式サイトで、その年の日付と時間を確かめてください。福跡マップの開運カレンダーにも、確かめた分から載せていきます。

午の日に、いなりの前で手を合わせる一日になると良いですね。


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参考・出典

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