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特集

お守りの扱い方 — 複数持ちは神様がケンカする?返納の時期も

2026-07-21 | 執筆・編集:福跡マップ編集部

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まんがの内容は下の本文(出典つき)をもとに構成しています。

財布の中で気づけば増えているお守り、神棚の隅に置きっぱなしのお守り。「神様同士がケンカするから複数持ちはダメ」、そんな話を聞いたことがある人も多いはずです。先に結論を言うと、これは確認できた資料の範囲でははっきり否定されています。問われているのは数ではなく、一つひとつをどう扱い、いつ手放すかです。

根拠にしたのは、神社本庁(全国の神社を包括する組織)の公式サイトとFAQ、東京都神社庁の解説、複数の神社の公式サイト、国語辞典やコトバンクの記述のうち、執筆時に実際にアクセスして確認できたものだけです。鳥居のくぐり方や二礼二拍手一礼の基本は、前回までの参拝の基本作法にまとめています。

お守りとは何か — お神札との違い

神社本庁の公式サイトによれば、神棚に祀るお神札(おふだ)が家全体を守るお札であるのに対し、お守りは常に身につけて神さまのご加護をいただくためのものです。東京都神社庁の説明では、お守りは「お神札を小型化したもの」とされ、どちらも神職が祓いと祈願を済ませ、神霊の御分霊が宿ったものとして扱われます。

起源はさらに古く遡るとされます。古代の人々は、石や骨、鏡や剣といった霊威を持つとされる「呪物」を身につけ、神の力で心身を守ると信じていました。神様の力を身に宿すというこの発想は、おみくじの歴史で触れた「神意を伺う籤」とはまた別の、もっと古い層の信仰にあたります。

その後、姿を変えながら受け継がれます。平安時代には貴族の女性たちが仏像や経文を収めた「懸守(かけまもり)」を首から下げ、鎌倉時代には社寺のお守りやお札の存在が確認されるようになりました。中世に道教のお札を日本流にしたとの説もあります。江戸時代に入ると首から下げる形は廃れ、肌に直接つける腰さげ、幕末には庶民の間で腕守りが広まりました。精選版日本国語大辞典によると、「守り札」という語の文献上の初出は1688年の浮世草子『好色盛衰記』とされています。今のような巾着型で持ち歩くお守りは、この流れの延長線上で近世にかけて定着していったと考えられますが、いつ今の形に確定したかを示す一次資料までは確認できませんでした。

複数持ちで「神様がケンカする」って本当?

複数のお守りを持つと神様同士がケンカする——この俗説について、J-CASTトレンドが2019年、神社本庁の教化広報センターに直接取材しています。回答はこうでした。「神様のことなので人間の立場からあれこれ言えることではありませんが、お守りを複数持っていても『神様同士がケンカするということはない』と考えていただいてよろしいかと思います」。ただし「たくさん持っていれば大丈夫」と数に頼る考え方も望ましくない、と釘を刺すことも忘れていません。

個別の神社でも見解は一致していました。石川県の大野湊神社は公式サイトで「神様はケンカしません」と明言し、身に着け続けること、感謝の気持ち、年に一度程度の更新を大切にするよう案内しています。香川県の丸亀春日神社は、複数持ちは全く問題ないとした上で、日本の神道には「八百万(やおよろず)の神」という考え方があり、神様の世界は本来「和」を尊ぶものだと説明しています。

調べていて意外だったのは、この「神社本庁の公式見解」として広く知られている内容が、神社本庁の公式サイト自体には見当たらないという点でした。トップページとFAQを確認した限り、この件を直接扱うページはありません。ウェブ上で流布しているのは、メディアの個別取材に基づく回答であって、庁が常設で公開している文書ではないのです。出どころを一段掘ると、少し景色が変わります。

いつ、どこに返す? — 目安は1年

神社本庁の公式FAQを見ると、答えは明快です。「お神札やお守りは、1年ごとに新しく受けていただくことがよいとされています。前の年のお神札やお守りは受けた神社にお納めするのがよいでしょう」。受けた神社に行けない場合は、近くの神社に相談するか、気持ちを添えて受けた神社に郵送するのも一つの方法だと案内されています。

なぜ1年なのか。群馬県の産泰神社は、正月に新しい年神様を迎える風習と、神道にある「常若(とこわか)」の考え方——常に新しく、若々しい状態を保つという発想——を理由に挙げています。小正月(1月15日)に正月飾りとともに古いお神札を焚き上げ、歳神様を天へお送りする「どんど焼き」の行事に合わせて、古いお守りも一緒に納められることが多いようです。清浄な火で神様の力を天へお返しし、感謝を伝える。お焚き上げには、そういう意味が込められています。

なお「神社のお守りは神社へ、お寺のお守りはお寺へ」という区別は、はっきり案内されていました。稲荷系なら稲荷系の社寺へ、といった系統ごとの返納先まで踏み込んだ公式の説明は、今回確認できた範囲では見当たりませんでした。遠方で受けた神社に戻れない時は、無理をせず、近くの社寺に相談してみるのがよさそうです。

数より、大切にしてきた時間を

複数持っていても、神様はケンカしません。とはいえ、鞄の底で色褪せたまま何年も置き去りにされているお守りがあるなら、一度立ち止まってもいいのかもしれません。賽銭の意味と金額で触れたように、神様への向き合い方は金額や数字ではなく、込めた気持ちに宿るという考え方が、ここでも通底しています。

一年守ってくれたことへの感謝を胸に、近くの社寺へ納めに行く。それだけで、お守りとの付き合い方は十分です。

一年見守ってくれたお守りに感謝を込めて。→ 福跡マップで近くの神社を探す

参考・出典

あなたの住所には、どんな福が宿っているでしょうか。

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