参拝の作法とマナー
お神札はどこに置けばいいのか — 神社本庁が書いている置き方
初詣や厄祓いでお神札をいただいたあと、置き場所に困ることがあります。神棚のある家は、いまはそう多くありません。
神社本庁の公式サイトには、この置き方がかなり具体的に書かれています。しかも「決まりを守れ」という調子ではなく、住まいに合わせてよい、という書き方です。
まず結論から。目線より高く、お神札の正面が南か東を向く場所。そして何より、家族が毎日おまいりできる場所であること。
場所と向き
神社本庁の説明を整理します。
神棚を設けるのは、家のなかでも家族が集まる清潔な場所。目線より高く、お神札の正面が南あるいは東に面する向きにするのが一般的だとされています。
なぜ南と東なのか。同サイトは、東は日の出の方角であり、南は陽光が最も注ぐため、古来より重要視されてきたと説明しています。
ただし同時に、こうも書かれています。最も重要なのは、家族が親しみを込めて毎日おまいりのできる場所であること。
方角が理想どおりにならない家は多いはずです。そこで「置けないから諦める」となるのが一番よくない、という趣旨だと私は読みました。
三社造りと一社造り
複数のお神札がある場合の並べ方も明記されています。
神社本庁によれば、御神座の順位は中央を最上位とし、次が向かって右、その次が向かって左です。
これを踏まえて、宮形(お宮の形をした入れ物)の型ごとにこうなります。
三社造り(扉が三つ)の場合
- 中央:伊勢神宮のお神札(神宮大麻)
- 向かって右:氏神さまのお神札
- 向かって左:崇敬している神社のお神札
一社造り(扉が一つ)の場合
- 神宮大麻を一番手前に
- その後ろに氏神さま
- さらに後ろに崇敬する神社のお神札
重ねて納める、という点が一社造りのポイントです。奥行き方向で順位を表すわけです。
「氏神さま」がどこか分からないとき
三社造りの説明に出てくる「氏神さま」でつまずく人は多いと思います。私もそうでした。
神社本庁は、氏神さまはご自宅に一番近い神社の場合が多いので、最寄りの神社を訪ねて神職に尋ねるのがよい、としています。
自分で調べて確定させるものではなく、聞けばいい、ということです。地域によって氏子の区割りは異なるので、地元の神社が把握しています。
神棚がない家では
宮形がなくても構わない、と神社本庁は書いています。
宮形を用いずにおまつりする場合も、同じ順位にならって丁重におまつりする。宮形に入らない大きさのお神札は、宮形の横に丁寧に並べておまつりする。
つまり必要なのは箱ではなく、扱い方のほうです。棚の上でも、書棚の上でも、目線より高く清潔な場所であれば形は問わない、と読めます。
お供えは、米・塩・水
神棚を設けた場合のお供え(神饌)についても記載があります。
基本は米、塩、水。可能であれば酒も加えます。季節の初物や菓子を供えてもよいとされています。両側には常緑樹である榊を添えます。
配置は中央に米、次に酒、塩、水。ただしスペースの制約がある場合は柔軟に対応してよい、と明記されています。
ここでも「できる範囲で」という姿勢が一貫しています。
そもそも「宮形」と「神棚」は別のもの
用語も整理しておきます。ここを混同すると説明が読みにくくなります。
神社本庁によれば、神棚とはお神札をお祀りする棚のこと。そして厳密には、その「棚」と、お札を納める「宮形(みやがた)」——お宮を模した入れ物——は別のものです。
私たちが「神棚を買う」と言うとき、たいてい思い浮かべているのは宮形のほうです。棚は棚、宮形は宮形。分けて考えると、置き場所の話がすっきりします。
宮形を選ぶときは、棚板の幅・奥行き・天井までの高さを測り、お供えを置く場所も見込んでおく。神社本庁はそう案内しています。近年は現代的なデザインのものも増えており、住まいに調和したものを選ぶことが勧められています。
木のお宮でなければいけない、ということではないわけです。
一年で新しくする
お神札は年に一度新しくするのが通例です。
神社本庁は、年の暮れには新しいお神札をおまつりする、としています。古いお神札は、大晦日から1月15日(小正月)までの間に行われる「左義長」や「どんど焼」などでお焚き上げされます。
お守りの扱いも考え方は同じです。詳しくはお守りの正しい扱い方にまとめました。
置き方に、絶対の正解はない
一通り読んで思ったのは、神社本庁の説明が意外なほど柔軟だということです。
方角は「一般的には」、配置は「スペースの制約がある場合は柔軟に」、宮形は「用いずにおまつりする場合も」。禁止事項を並べるのではなく、条件が整わない家でどうするかを先に書いています。
厄年の記事でも同じことを感じました。神社本庁は、厄祓いに「いつまでに行う必要があるといった決まりがあるわけではない」と書いています。詳しくは厄年の「厄」は、もとは「役」だったに書きました。
作法は人を縛るためのものではない、ということだと思います。目線より高く、清潔なところに、毎日手を合わせられるように置く。それだけ守れば十分です。
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参考・出典
- お神札のまつり方 | おまつりする | 神社本庁公式サイト
jinjahoncho.or.jp - 神棚 | おまつりする | 神社本庁公式サイト
jinjahoncho.or.jp