神社の教養
お盆に神社へ行ってはいけない? — 結論、参拝して大丈夫です
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お盆はお寺とお墓の行事で、神社は関係ない——なんとなく、そう思っていませんか。
先に結論です。お盆だから神社に行ってはいけない、という決まりは公式の資料には見当たらず、控えるのが作法とされているのは身内に不幸があった直後の忌中の期間だけでした。
私もそう思っていました。ところが神社本庁(全国の神社をまとめる組織)の公式サイトには、「先祖のおまつり」というページがあります。しかもそのページ、URLの末尾が「obon」なのです。神社の総本山格のサイトが、お盆を自分たちの話として説明している。ここから話が始まります。
神道では、ご先祖は「見守ってくれている存在」
神社本庁のページは、こう書き出しています。
日本人は古来、人は亡くなってもこの世にとどまり、いつでも子孫を見守ってくれている存在だと考えてきました
そのうえでお盆について、盂蘭盆(うらぼん)という仏教行事とされている一方で、「日本に古くからあった祖霊祭の名残であろう」と考えられている、と両方の見方を併記しています。迎え火や送り火、盆棚といったおなじみの風習も、このページの中で説明されています。
家庭でのご先祖のおまつりには、神棚とは別に「御霊舎(みたまや)」「祖霊舎(それいしゃ)」というお社を使う、というのも神社本庁の説明です。仏壇の神道版、と考えると分かりやすいと思います。
では、お盆に神社へ参拝してもいいのか
結論から言うと、お盆だから神社に行ってはいけない、という教えは見つかりませんでした。それどころか、神社の側はお盆の時期を、ご先祖をまつる時期として積極的に位置づけています。
金沢の大野湊神社は、公式サイトの解説でお盆を「仏教の『先祖供養』と神道の『祖先崇拝』が混ざり合った行事」と説明しています。同社の解説によれば、お盆が仏教の行事と思われるようになった背景には、江戸時代にお寺が戸籍を管理した仕組み(寺請制度)があったのだそうです。一つの神社の見解ではありますが、神社本庁の説明とも筋が通ります。
一つだけ別の話として、身内に不幸があった直後の「忌中」(一般に五十日祭まで)は神社への参拝を控えるのが作法とされています。これはお盆かどうかではなく、忌の期間の話です。
神社のお盆は「みたままつり」
神社には、お盆にあたる行事がちゃんとあります。「みたままつり」です。
有名なのは東京・靖国神社で、毎年7月13日から16日。昭和22年(1947年)に、日本古来の祖霊信仰とお盆の習俗に基づいて始まったもので、大小3万を超える提灯が掲げられ、期間中は盆踊りも行われます。
そして大阪にもあります。住之江区の大阪護國神社では、毎年8月14日・15日の夜に「献灯みたままつり」が行われ、千数百の提灯が掲げられます。公式サイトによると、献灯はご遺族でなくても申し込めます。東京の靖国神社が7月の盆、大阪護國神社が月遅れの8月盆と、同じ形の祈りが1か月ずれて並んでいるのも興味深いところです。
盆踊りは、霊を送り出す踊り
神社本庁のページは、盆踊りを「祖先の霊を慰め送り出すためのもの」と説明しています。由来をさかのぼると念仏踊りに行き着くとされます。
この盆踊り、2022年に「風流踊(ふりゅうおどり)」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。秋田の西馬音内の盆踊など、24都府県41件がまとめて登録されています。文化庁の資料は風流踊を、こう説明しています。
除災や死者供養、豊作祈願、雨乞いなど、安寧な暮らしを願う人々の祈りが込められている
夏祭りの締めにやぐらを囲んで踊るあの踊りは、もともと祈りの形なのですね。
8月なかばの大阪で
大阪護國神社では、8月15日の正午に「終戦詔書奉戴の日祭」も営まれます。月遅れのお盆と終戦の日は、ちょうど重なっています。
その前日の8月14日には、京橋駅前で空襲犠牲者の慰霊祭が営まれています。こちらは姉妹サイトの京橋駅空襲と慰霊碑にまとめました。お盆の大阪では、家のご先祖への祈りと、土地の記憶への祈りが、同じ数日の中で続いています。
お盆に帰省したら、お墓参りのついでに近所の神社へも寄ってみてください。それを妨げる教えは、少なくとも公式の資料からは見つかりませんでした。
同じことをお彼岸についても調べています。→ お彼岸に神社へ行ってはいけない?
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あなたの町の福の気配を測ってみる。→ 福跡マップで見てみる
参考・出典
- 先祖のおまつり | おまつりする | 神社本庁公式サイト
jinjahoncho.or.jp - お盆と神社の関係 | 大野湊神社
oonominato.or.jp - 祭事のご案内|祭事・境内のご案内|靖國神社
yasukuni.or.jp - 年間の祭儀 行事|大阪護國神社|厄除け・お宮参り・車のお祓い・七五三・安産祈願|
osakagokoku.or.jp - 無形文化遺産 文化遺産オンライン
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