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現地レポ

鈴虫寺(華厳寺)へ行ってきました — 説法の時間、お守りの願い方、駐車場とアクセス

9月23日の夕方に鈴虫寺(華厳寺)を訪ね、最終回の法話に入った記録です。最終の法話は16時20分。拝観料500円でお茶とお菓子が出て、一年中鳴く鈴虫の音の中で話を聞きます。わらじを履いたお地蔵さまへの願い方とお守りの返納、「やばい」「不思議」と言われる理由、三百年記念の御朱印、行き方も書いています。

2026-09-23 | 執筆・編集:福跡マップ編集部

松尾大社と月読神社を回って、着いたのが16時06分。鈴虫寺(すずむしでら)は、この日いちばん心に残った場所でした。じつは20年ほど前に一度来ていて、そのとき願ったことが叶い、お守りを返しに来た経緯があります。話も景色もすっかり忘れていましたが、石段を上りながら少しずつ思い出しました。

石段の下に立つ「鈴虫の寺 華厳禅寺」の寺号標
石段の下に立つ「鈴虫の寺 華厳禅寺」の寺号標
山門の前から石段を見下ろしたところ
山門の前から石段を見下ろしたところ

説法は約50分おき、最終は16時20分 — 連休は石段の下まで行列

ここは入ってお参りするだけの寺ではなく、客殿でお坊さんの話(法話)を聞く寺です。寺の公式サイトの予定では、法話は1日10回。朝9時から9時50分、10時40分、11時30分……と約50分おきに始まり、15時40分の次の最終が16時20分です(最後の回だけ40分あと)。混んでいる日は時間が前後することがあると書かれています。山門の掲示は「見学時間 午前九時より 午後入門 四時三十分迄」「閉門 五時」でした。

山門の掲示。見学志納料と見学時間が書かれている
山門の掲示。見学志納料と見学時間が書かれている
竹林の参道脇の立て札。「拝観時間 午前九時より 入門四時三〇分 閉門五時」
竹林の参道脇の立て札。「拝観時間 午前九時より 入門四時三〇分 閉門五時」

私が着いたときは、石段に私の前に8人か9人、後ろに7人ほど。最終回は20人くらいで入りました。あとで法話の中で伺った話では、前日の連休中は石段のずっと下、橋のあたりまで200人ほど並んだそうです。駐車場の警備員さんも「昨日は16時でも満車でした」と言っていました。連休や紅葉の時期は、最終回に間に合うつもりで来ても入れないことがあります。時間を逆算して動くのがいちばんの準備です。

石段の下に立つ「特別見学寺院 鈴虫寺」の説明板
石段の下に立つ「特別見学寺院 鈴虫寺」の説明板

京都駅からバス73系統、車なら手前の駐車場へ

電車とバスなら、京都駅前から京都バス73系統、四条河原町・三条京阪からは63系統で「苔寺・すず虫寺」下車。バス停は寺の目の前ではなく、川沿いの道を少し下った所にあります。下の地図は、私がその日の位置関係を書き込んだものです。

鈴虫寺・苔寺・バス停・駐車場の位置関係。Googleマップの画面に書き込んだもの(地図データ: Google)
鈴虫寺・苔寺・バス停・駐車場の位置関係。Googleマップの画面に書き込んだもの(地図データ: Google)

車の場合、寺のすぐ横に鈴虫寺の駐車場がありますが、土日祝は満車になりやすく、手前に民間の駐車場がいくつかあります。私は寺まで100メートルほどの所に停めて500円。どこも500円か600円くらいなので、手前で空いていたら迷わず入れていいと思います。

境内から見下ろした駐車場と、京都の街並み
境内から見下ろした駐車場と、京都の街並み

寺の手前に京都市の観光案内図が立っていて、松尾大社まで徒歩16分、阪急松尾大社駅まで17分、苔寺まで5分と示されています。そのそばには、この一帯が「嵐山歴史的風土特別保存地区」で、建物や景観の変更が厳しく制限されているという京都市の説明板もありました。竹林と石段がそのまま残っているのは、この指定のおかげでもあります。

京都市の説明板「歴史的風土特別保存地区について」。嵐山歴史的風土特別保存地区の範囲図つき
京都市の説明板「歴史的風土特別保存地区について」。嵐山歴史的風土特別保存地区の範囲図つき
寺のすぐ手前に立つ京都市の観光案内図。鈴虫寺まで徒歩1分、苔寺まで5分、松尾大社まで16分、阪急松尾大社駅まで17分と示されている
寺のすぐ手前に立つ京都市の観光案内図。鈴虫寺まで徒歩1分、苔寺まで5分、松尾大社まで16分、阪急松尾大社駅まで17分と示されている

拝観料500円で、お茶とお菓子と鈴虫の音

山門の掲示は「見学志納料 御一人 金五〇〇円(中学生以下 三〇〇円)」「茶菓子(無料)さし上げます」。入口の受付で納めます。この受付のところに、願いが叶った人がお守りを返す返納の箱も置いてありました。

客殿に通されると、お茶とお菓子が出ます。お菓子は、しそを入れた白い四角の和菓子で、一口で食べられる大きさ。お坊さんが冗談まじりに「まれに、鈴虫を使ったお菓子でしょ、という都市伝説がありますが、それはありませんのでご安心ください」と言って、部屋が少し和みました。

客殿の前の庭。松越しに石の上の像が見える
客殿の前の庭。松越しに石の上の像が見える

そして鈴虫の音。部屋の中にケースがあって、法話の中では一年中およそ3,000匹が鳴いていると伺いました。その音を聞きながら30分ほど話を聞きます。お坊さんは8人いて、交代で話されるそうです。この日の方はお若くて、話がうまい。静かな部屋に鈴虫の音と笑い声が混じる、ここでしか味わえない時間です。

境内の石畳の道と、一枚板のベンチ
境内の石畳の道と、一枚板のベンチ

幸福御守と、お地蔵さまへの願い方

法話の後半は、この寺の願い方の話です。順番はこうでした。

まず「幸福御守(こうふくおまもり)」を一つ、500円。黄色い袋に「幸福御守 京都 鈴虫寺」と朱で書いてあります。

鈴虫寺の幸福御守。黄色い袋に「幸福御守 京都 鈴虫寺」と朱で書かれている
鈴虫寺の幸福御守。黄色い袋に「幸福御守 京都 鈴虫寺」と朱で書かれている

お守りを両手で挟んで、袋の「幸」の字が見えるように持ちます。お地蔵さまが誰の願いかを見分ける目印なのだそうです。そのうえで、自分の住所と名前を心の中で伝えて、願いは一つだけ。

願いは自分のことを。願いは一つだけ。そして「厄除け」のような漠然とした願いは、お地蔵さまに分かりにくいのだそうです。ダメというより、届きにくい、という言い方でした。遠くて来られない人のぶんは、お守りを買って代わりに願ってよいとのこと。

願いが叶ったら、お守りを返しに来ます。遠ければ郵送でもよくて、お寺でお焚き上げしてくださいます。この日の話では、アメリカから返納されたお守りもあったそうです。私の20年前の返納も、このときの話を聞いて思い出しました。

幸福地蔵大菩薩。わらじを履いて、山門を入ってすぐ左に立つ
幸福地蔵大菩薩。わらじを履いて、山門を入ってすぐ左に立つ

そのお地蔵さまは、山門を入ってすぐ左。出るときは右手です。わらじを履いているのがこの寺のお地蔵さまで、履いているから歩いて願いを叶えに来てくださる、と伝わっています。

「やばい」「不思議」と言われるのはなぜ — わらじのお地蔵さまと、一年中の鈴虫

石段の下の説明板には、赤い字でこう書かれています。

どんな願い事でもかなえて下さる
めずらしいワラジを履いた幸福
地蔵様がおまつりして有ります。

寺の公式サイトの説明では、仏さまはふつう皆はだしで、わらじを履いているのは日本でこの幸福地蔵さまだけだそうです。お願いは、欲張らずに一つだけ。

もう一つが鈴虫です。鈴虫は夏の終わりから秋にかけて鳴く虫ですが、ここでは一年中鳴いています。同じ説明板には「二十八年の歳月かけて遂に完成した 四季を通じて日中に一年中なく鈴虫の音!」「冬期中は暖い室内です」とありました。公式サイトによると、研究を始めたのは台巌和尚で、戦争に負けたばかりで人の心が荒んでいた時代に、せめて鈴虫の音で心を穏やかにしてもらいたい、という思いからだったそうです。一年中鳴かせられるようになるまで、28年かかりました。

この日の法話 — 今を生きる

法話の中で、お若いお坊さんがご自身の話をしてくださいました。結婚相手の方が、いまも戦争の続く国から来た方で、去年その国へ挨拶に渡ったときの話です。周りには反対されたそうです。

真夜中に空襲警報が鳴って、シェルターへ逃げる時間がなく、家族全員で壁の厚い風呂場に隠れた。そのとき「なんで来てしまったんだ、本当に死ぬかもしれない」と後悔して、しばらく恐怖で動けなかった。少し経って落ち着いてきたときに、仏教の教えを思い出したそうです。過去を悔やまない、未来を不安がらない、今を生きる。来たことを悔やんでもしょうがない、先を怖がってもしょうがない、いまここにいるだけだ。そう考えたら、恐怖が自然と抜けていった、と。

締めくくりは、こんな言葉でした。この日本では空襲警報は鳴りません。こうして鈴虫の音を聞きながら、静かな部屋で皆さんと話ができます。苦しいことがあっても、今を生きてください。

鈴虫の音の中でこの話を聞いて、20年前に来たときより、ずっと深く残りました。

石段を下りて2分ほど、川沿いの道で足が止まりました。桜の木が一本、川のほうへ大きく傾いて、向こう岸まで枝を伸ばしています。写真に撮っても映える姿ではないのですが、「今を生きる」という話を聞いた直後だったので、なおさら、木ってすごい生命力だなと、一人で感慨深くなっていました。

川のほうへ大きく傾いて、向こう岸まで枝を伸ばす桜の木。寺からの帰り道で
川のほうへ大きく傾いて、向こう岸まで枝を伸ばす桜の木。寺からの帰り道で

御朱印は三百年記念 — 御朱印帳もある

いまは開山三百年の記念で、限定の御朱印があります。境内に「開山 三百年」の看板も立っています。正確には2026年で303年目ですが、記念の御朱印はまだ続いていて、授与所で「終わりの時期は決まっていますか」と聞いたところ、今のところ未定で、少なくとも今年中はあるだろう、とのことでした。通常の御朱印はいま出していないようです。

「開山 三百年」の看板。享保八年(1723年)の創建から数える
「開山 三百年」の看板。享保八年(1723年)の創建から数える
鈴虫寺の三百年記念の御朱印
鈴虫寺の三百年記念の御朱印

鈴虫寺の御朱印帳もありました。色は白かピンクだったと思います。授与所には、鈴虫の絵の「りんねんくん」のシールも出ていました。

授与所の掲示。「りんねんくん ぷっくりシール」1,000円
授与所の掲示。「りんねんくん ぷっくりシール」1,000円

周辺 — BAMBOO COFFEE、苔寺、松尾大社

石段を下りたのが17時7分ごろ。桜の前で立ち止まったあと、少し先に BAMBOO COFFEE というカフェがあって、この日は閉まっていました。ガラス戸と市松模様の階段の店で、次に来たときの楽しみにしておきます。

BAMBOO COFFEE の外観。この日は閉まっていた
BAMBOO COFFEE の外観。この日は閉まっていた
BAMBOO COFFEE の道路脇の看板
BAMBOO COFFEE の道路脇の看板

徒歩5分の苔寺(西芳寺)にも寄ってみましたが、門は閉まっていました。掲示は「参拝希望日の二カ月前より受け付けます。当日のお申し込みは承れません」。二か月前から前日までのあいだに申し込む、予約制のお寺です。

西芳寺(苔寺)の門
西芳寺(苔寺)の門
西芳寺(苔寺)の門前の掲示。参拝希望日の二カ月前より受け付け、当日の申し込みは不可と書かれている
西芳寺(苔寺)の門前の掲示。参拝希望日の二カ月前より受け付け、当日の申し込みは不可と書かれている

おすすめの巡り方まとめ

この日、私が実際に歩いた順路です。松尾大社の側は松尾大社の記事にあります。

  1. 松尾大社(約1時間) — 駐車場は無料ですが「参拝(一時間)」の掲示。庭園と神像館(500円)、亀の井、授与所で御朱印。
  2. 月読神社(約10分) — 松尾大社から南へ歩いて8分。社務所は無人で、御朱印は書き置きを自分で持ち帰る方式。
  3. 鈴虫寺(約1時間) — 月読神社から南西へ700メートルほど。最終の法話は16時20分、入門は16時30分まで。連休は16時でも駐車場が満車、石段の下まで行列になる日があるので、松尾大社と月読を先に回るなら鈴虫寺に15時台に着く計算で。500円でお茶とお菓子、法話30分、所要40分ほど。
  4. 苔寺(西芳寺) — 鈴虫寺から徒歩5分。予約制で、二か月前から前日までに申し込み。
  5. 時間が余ったら嵐山 — 秋なら紅葉と重なります。

車で回るなら、松尾大社を出たら鈴虫寺の近くへ車を移すのが現実的です。電車なら、阪急松尾大社駅から松尾大社 → 月読神社 → 鈴虫寺 → 苔寺と歩いて、そのまま嵐山へ抜けられます。鈴虫寺だけ目当てなら、京都駅からバス73系統で「苔寺・すず虫寺」まで来るのが早いです。

由緒 — 妙徳山華厳寺、臨済宗の禅寺

正式には妙徳山華厳寺(みょうとくさん けごんじ)。享保8年(1723年)に鳳潭(ほうたん)上人が開いたと伝わります。もとは華厳宗の寺で、のちに臨済宗に改められました。改めた時期は資料によって書き方が違い、京都市の観光案内は「19世紀初頭」としています。法話の中でもお坊さんが「うちは臨済宗です」と話していました。臨済宗は南禅寺や妙心寺、天龍寺と同じ禅の宗派です。

鈴虫とのかかわりは、寺の公式サイトの言い方では「今から八十年ほど前」、台巌和尚が夜に坐禅を組んでいたとき、短い寿命しかない鈴虫が懸命に鳴いている姿を見て悟りを開かれたことに始まるそうです。「鈴虫寺」は通称で、寺号標には「鈴虫の寺 華厳禅寺」とあります。

境内には「當山鎮守 龍大明神」の額を掲げた小さな祠もありました。額のとおり、この寺の鎮守として龍神が祀られています。

境内の祠。額に「當山鎮守 龍大明神」とある
境内の祠。額に「當山鎮守 龍大明神」とある

境内の場所とデータは鈴虫寺のスポットページにあります。


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この記事の場所のそばにある福

鈴虫寺の周りに、ほかにどんな福があるでしょうか。

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参考・出典

12件出典に基づいて掲載しています

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